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Home お知らせ 「持続可能なコミュニティ経済の創造」に関する共同研究プロジェクト開始のお知らせ
2020.01.20更新

「持続可能なコミュニティ経済の創造」
に関する共同研究プロジェクト
開始のお知らせ

 

公益財団法人信頼資本財団は、フィールドワーク手法の活用やデジタル地域通貨(価値交換ツール)の試用等を通じた「持続可能なコミュニティ経済の創造」に関する共同研究プロジェクトを下記立ち上げメンバー主体で2020年1月に開始いたします。

 

【共同研究プロジェクト立ち上げメンバー※1】

斉藤賢爾(早稲田大学大学院経営管理研究科 教授/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)

小川さやか(立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授)

高野雅晴(株式会社ビットメディア代表取締役 社長)

公益財団法人 信頼資本財団

 

【背景】

信頼資本財団では、社会関係資本を「信頼資本」「共感資本」と名づけ、こうした資本が広がる社会を目指し、11年にわたり、共感融資、共感助成などの事業に取り組んで参りました。継続して推進しているそれらの成果も踏まえ、財団設立以来、温めてきた「お金(法定通貨)以外で助け合う仕組みづくり」の一環としてデジタル地域通貨「yuu’(ゆう)」※2の試用も開始しております。

一方、ブロックチェーン技術の台頭などにより、さまざまな形の地域通貨が国内外で登場しており、それらも財団が目指している持続可能なコミュニティ経済の創造につながる社会実装の試みと考えられます。

そこで今回、お金のない世界の到来を構想している計算機科学者の斉藤賢爾氏、フィールドワークを通じて途上国を含めた各国コミュニティに深く根差しているお金に代わる価値交換媒体の生々しい実態を熟知している文化人類学者の小川さやか氏、2000年代前半からデジタル技術を駆使した地域通貨プロジェクトを推進してきた社会実装者の高野雅晴氏とともに、共同研究プロジェクトを立ち上げることにいたしました。

 

【主な研究テーマ等】

共同研究の主なテーマは以下の通りです。

1.フィールドワークの手法による各地の地域通貨活用および地域信用経済状況調査

共同研究立ち上げメンバーのこれまでの研究・実践成果や各国の地域通貨および地域の信用経済の最新事例を集約するとともに、ケニアの「BitPesa」などの海外事例や国内で新たに試行されているデジタル地域通貨についてフィールドワークの手法で実態を調査いたします。

2.信頼資本財団で試行しているデジタル地域通貨「yuu’(ゆう)」の活用状況分析

デジタル地域通貨導入による関係性強化、セーフティネットとしての有効性などについて検証を進めます。

研究の進捗に応じてテーマは見直しを図るとともに、研究参加メンバー、協力地域、研究支援スポンサーを随時受け付けるなど、開かれた研究体制の構築を目指します。

共同研究の成果を報告書として出版、デジタル地域通貨「yuu’(ゆう)」の次世代版開発、2025年国際博覧会における社会実験提案等、研究成果は積極的にアウトプットしていく計画です。

信頼資本財団は、本共同研究プロジェクトを通じて持続可能なコミュニティ経済確立に貢献して参ります。

 

【問合わせ先】

公益財団法⼈信頼資本財団 

 本  部:京都市上京区大門町253 風伝館

 東京拠点:東京都新宿区市ヶ谷八幡町2-1 DSビル3階 Digima BASE

 事務局長 川島和子

 info@shinrai.or.jp

 ※1 プロジェクト立ち上げメンバー略歴

 

・斉藤賢爾

専門はインターネットと社会。コーネル大学大学院工学修士課程(計算機科学)修了。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。同研究科特任講師等を経て2014年より同大学SFC研究所上席所員。また2016年より株式会社ブロックチェーンハブCSO(Chief Science Officer)。2017年より一般社団法人ビヨンドブロックチェーン代表理事。2019年より早稲田大学大学院経営管理研究科教授。主な著書に『不思議の国のNEO』(太郎次郎社エディタス、2009年)、『未来を変える通貨:ビットコイン改革論』(インプレスR&D、2015年)、『信用の新世紀-ブロックチェーン後の未来』(インプレスR&D、2017年)、『2049年「お金」消滅-貨幣なき世界の歩き方』(中央公論新社、2019年)

 

・小川さやか

専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程指導認定退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授を経て、同研究科教授。『都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞。

 

・高野雅晴

1988年東京工業大学修士課程修了

1988年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、

日経エレクトロニクス編集記者として従事。

1995年半官半民のデジタル・メディア研究開発会社「株式会社ディジタル・ビジョン・ラボラトリーズ」設立に参加。R&Dマーケティングを担当。

2000年株式会社ビットメディア代表取締役社長に就任。

ストリーミング配信システム「ShareCast」、新しいお金を具現化する「EcoCa」とともに、電力×IoTの新規ビジネス創造を目指す「SmartPower」を推進中。

2019年6月一般社団法人未来フェス設立(専務理事)

2019年8月株式会社SDGsテック設立(代表取締役)

第 5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)アプリケーション委員会利用シーンWG主査

著書:「新しいお金」(アスキー新書)など

 

・公益財団法人信頼資本財団

 団体概要:https://shinrai.or.jp/about/foundation/

 

 

※2 デジタル地域通貨「yuu’(ゆう)」とは

「お金(法定通貨)以外で助け合う仕組みづくり」として、まずは当財団共感融資・助成先や社会事業塾現役・卒塾生といった既にあるコミュニティ内での試用を昨年11月より開始。

助け合いにあたって時間を基準とした「yuu’」のやり取りを先行、試行1期(4ヶ月)が過ぎたところで、活用状況に基づき、ブロックチェーン技術をベースにしたデジタル地域通貨システムを開発。

貯めることによって意味を成さないツール、結果的に現状の法定通貨代替になってしまわないツール、良質な社会関係性を増幅するツールを模索します。

さらに、使用地域やメンバーを増やし、国内外で既に実装されている地域通貨とも連携しながら、持続可能なコミュニティ経済創造のツールとして最適な在り方を求めていく予定。