
くまがはた研究所
福岡県、つなぎ
事業概要
本事業は、信頼をベースとした社会関係資本の蓄積と循環が地域社会を構成しているという考え方のもと、社会教育からのアプローチによって地域をつむぎ直していこうとする活動である。そのつむぎ直しの一つの手段として、社会教育の原点であるミュージアムを活用して行う。ミュージアムの具体化と実践を通じて、信頼を軸に地域社会の人と人との紐帯を取りむすび、取りむすんだ紐帯を基盤に、社会や地域の課題を結果的に解決していこうとするプログラムを組成する。具体的には、自治体単位ではないかつて存在した自然村である熊ヶ畑村の地誌づくりや現代の村の暮らしを見つめ直す情報発信媒体の作成などを、信頼に基づく基盤を最大限に活用し行う。
事業の理念、創業の志など

代表 大里みずき
【理念】
当団体がフィールドとする熊ヶ畑は代表者が生まれ育った故郷であり、地方創生が叫ばれて久しい中、根本にはその故郷を次の世代へと継承したいという思いがある。熊ヶ畑は古来よりいわゆる農村であったが、福岡県内でも有数の産炭地として日本の近代化を支えた一方でその過程において、日本のみならずグローバルな経済圏へと吸い込まれてしまうことになった。人口も急増し、鉄道も敷設され急速な発展を遂げたが、石炭が石油へと代替するに伴い急速に減退していった経験から、経済発展一辺倒のあり方から地域社会の営み、生業などを見直し、人と人との紐帯をベースとした現代的な地域社会の構成を考え実践していくことを理念としている。
組織情報
法人名 |
くまがはた研究所 |
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住所 |
福岡県嘉麻市熊ヶ畑 2090-11 |
SNSアカウント | https://www.instagram.com/kumagahata_gram/ |
その他の情報

大田岱次 さま
私は、熊ヶ畑地域小さな拠点づくり運営組織を形成し、委員長に就任しています、 大里みずきさんは広報活動や事業計画の先頭に立って奮闘中で、そんな姿を見て私は新しい感覚を身に着ける事ができました。
また、熊ヶ畑地域運営組織のメンバーは年齢が高く、固定観念が払拭出来ないところがあり、若者の活動が乏しい状態であり、大里さんの加入で若者に声を掛けて頂き増加しています。
熊ヶ畑地域は人口が減少して陸の孤島状態である中、大里さんは前向きな思考が優れており、これからの地域社会の課題解決に大いに期待が持てる。

西山佳孝 さま
熊ヶ畑での取り組みは、熊ヶ畑という 1 つの集落だけに留まるものではないと考えられます。
なぜならば、置かれている環境はそれぞれであれど、人口減少が社会問題化して久しい状況の中で限界集落という捉え方が提出され、ひょっとするとじぶんたちの住まう集落が消滅してしまうのではないかという危機意識が煽られており、ちょっと先の未来への希望が抱きずらい雰囲気が蔓延しているところで、熊ヶ畑の取り組みがはじまっているからです。
ちょっと古臭い話にもなりますが、中世からせっせと受け継がれてきた集落、言い換えるならば地域共同体であり地域社会は、そこにある自然というかけがえのない資源としての資本を敬いながら、ときには畏れつつも入会地という名の コモンズとして集落を持続可能なものとしていくために経済的価値へと上手に変えながらやってきました。
一方で、 House という意味の家ではなく血のつながりだけによらない Family である家どうしの紐帯を緩やかながら強固にむすび持続可能なカタチで振幅させながら、これまた上手にやってたのではないかと考えています。でも、熊ヶ畑では、ただ昔はヨカッタね、と取り組もうとしているのではなく、本質的な考え方を参考にしながら、現代にあう編集と翻訳という手法を駆使してちょっと先の未来にどんな集落や地域共同体、地域社会であったらたのしいのかおもしろいのかを妄想しているようでなりません。
現代に翻訳すれば、そのことは域内調達率を上げて域内乗数効果を高めて持続可能な展開を探っているのかもしれません。
熊ヶ畑での取り組みはそんな集落や地域社会の未来を感じさせてくれる小さくとも逞しい活動だからこそ、推薦したいと思いました。
側から傍観しているのではなく、未来を感じているからこそ、いっしょに取り組んでもいきたいとも考えています。

髙橋 彩乃 さま
広報紙「くまがはた新聞号外」の発行、「フリー麦茶」と名付けた簡易休憩所の設置、資料館の構想…
推薦団体の取り組みには一切無理がなく、どれをとっても自然発生的であり、以前から存在したとさえ錯覚します。地域住民にとって当たり前だった地域のための活動は、担い手不足を理由に減少の一途を辿っています。活動拠点である熊ヶ畑もその一つです。くまがはた研究所の存在と「当たり前の再興」ともとれる数々のアクションが地域住民の拠りどころであり、地域の存続と発展に欠かせないと考えます。