※本事業は、休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として実施する助成事業です。
当助成には、近畿圏50団体から申請があり、厳正な審査をおこなった結果、8団体を選定しましたので、ご報告いたします。
私たちの助成の特徴は、当財団プログラムオフィサーをサポートする形で、各府県にそれぞれの課題や非営利団体に精通したメンバーを伴走支援者として配していることです。
事業期間2~3年という短い期間での助成となりますが、伴走支援の形において、地域連携・ネットワークのひとつのモデルとなるべく事業を行い、実行団体と共に、実質的な課題解決の新たな道筋をつけていきたいと考えています。
審査員(五十音順)
勝部 麗子 社会福祉法人豊中市社会福祉協議会 福祉推進室 室長
須藤 シンジ 特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所 代表理事
中井 貫二 千房ホールディングス株式会社 代表取締役社長
西川 一弘 和歌山大学 紀伊半島価値共創基幹 准教授
堀田 聰子 慶応義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 教授
採択団体
申請事業概要
ひきこもりなど孤立した人への行政などによる支援がうまくいかず、人口減少時代の貴重な人材として活かされていない。このような課題に対して、ひきこもりなど孤立した人に就労機会を提供し、地域からの評価を「課題のある人」から「必要な人」と変え、本人が変わるきっかけを作る。具体的には本人の特性に合わせ、オーダーメイドな就労と支援の組み合わせを提供する。
助成総額
8,000,000円
選定理由
・就労を目的とせず就労による生活や生き方、暮らし方の変化を目指す点で従来の支援と異なる。
・就労と支援を並行させて就労への定着、他者との信頼関係の構築を目指す方法は他にないアプローチ。
・アウトリーチ方法を多様に持っている。
事業報告
下記ページからご覧いただくことができます。
申請事業概要
障害や引きこもりなどが原因で支援が必要な人は、その人の家族も支援が必要なケースが多い。しかし行政や多くの民間福祉事業者は事業を基準としており、彼らが孤立している家族に面で支援を行なうことはほとんどない。このような当事者に向けて、支援を必要とする家庭に戸別訪問することで信頼関係を築き、生活と精神の状況が安定させる。これらにより、家族にとっての次のステップに進むことを支える。
助成総額
15,000,000円
選定理由
・課題を抱える当事者への支援にとどまらず、家族を面として捉え、家族全体の支援を行なう点で、行政の支援では構造的に難しいアプローチ。
・回帰主義ではない新たな家族の課題の方法を模索できる。
・支援を受けさせるのではなく、家に入るというアプローチは希少。
事業報告
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申請事業概要
滋賀県の外国人工場労働者や京都市の留学生などのうち、所得水準が低い層が、日本の医療にアクセスすることが、言葉の壁、文化の壁、経済的な壁という理由から非常に難しい。そのような当事者から、聞き取りにより現状を把握し、仮説とプロトタイプを作る。最終的には当事者が安心して医療を受けられる状態を目指す。
助成総額
9,000,000円
選定理由
・移民の中でも難しさを抱えている層へのアプローチを重視している。
・取り組みとしては面白いが仮説づくりのための調査、コミュニケーションということで対象事業としてはフェーズが早いがこのようなプロトタイプ事業の開発は重要。
事業報告
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申請事業概要
滋賀県では2024年以降ハイリスクのお産を取り扱える病院が県内に4つに減少する。このことにより、産前産後に渡り病院とのコミュニケーションが必要な妊産婦が、病院へのアクセスが難しいことから孤立してしまうケースが増えることが予測できる。
また現在日本の妊娠、出産、子育てはそれぞれ別の主体が担当しており、妊産婦も支援する側も信頼関係を構築しにくく、妊産婦が孤立してしまうことがある。
バースセンターの設置、産後ケア、普及啓発、開業助産師支援を通して、母親の妊娠、出産、子育てを伴走してくれる助産師がいること、そして母親が孤立しにくくなることを目指す。
助成総額
12,000,000円
選定理由
・お産から子育てにいたる過程のオルタナティブを提案。
・滋賀県において出産施設の減少という緊急性の高い課題へのアプローチでもある。
・ソフトとハード両面へのインパクトを期待。
事業報告
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申請事業概要
社会で暮らす視覚障害者や独居高齢者の存在がまだまだ知られ、理解されていない。国際写真展を開催し、視覚障害者にまつわる展示と、独居高齢者の写真を扱う展示する。また継続してコミュニケーションの場を作る。これらにより、来場者に課題の現状に触れてもらい、行動への意識を持ってもらうこと、またそのコミュニティを作ることに取り組む。
助成総額
8,000,000円
選定理由
・孤独に対する事業は多いが、その中でもジャーナリズムによって孤独にアプローチしようとしている。
・予算を増やしてもマネタイズに繋げさせてもいいのではないか。
・2年目はインターフェースとして人に考えさせるしつらえにしていかなければならない。
・事業化するには専門性と労力がかかるのでコアメンバーの中で事業モデルを考える人を入れた方がいい。
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申請事業概要
子ども、若者をとりまく様々な課題について公的制度による対応は整ってきたが、複合的な課題を抱えたり、深刻なケースには行政の構造と、社会的インパクトの要請などの理由から十分なアプローチがされていない。そのような孤立している若者に対して、孤立していた経験を持つ若者によりアウトリーチを行なう。
助成総額
10,000,000円
選定理由
・多くの居場所事業者が抱える居場所からの次につなぐスモールステップとなりえる。
・より深刻な課題を抱える若者へのアトリーチ方法としても専門家とは違った新たな手法となりえる。
事業報告
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※16~18ページまでは、記載に問題点が見つかり、助成先が削除いたしました。
申請事業概要
ネットカフェ難民のような若者のホームレス、就労困難者へのアウトリーチのためのオンラインサービスを開発する。
これにより就労困難者・生活困難者が安全なオンライン上の場所で生きるために必要な情報を得て、就労先を見つけ、困窮状態から抜け出すことを支援する。
助成総額
8,500,000円
選定理由
・アウトリーチで課題となる当事者にとってのアクセスのしやすさ、誘因が設定されている。
・別事業でオフラインでの支援事業を行なっているので相乗効果が期待できる。
事業報告
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申請事業概要
若年性認知症者への福祉事業を行なう中でボランティアとして参加してくれた若者の中に、将来的に働きづらさを抱えるリスクの高そうな人物が一般的な集団より高い割合でいた。彼らは支援がなければ社会の壁にぶつかり孤立してしまうリスクがある。事業ターゲットである若者は自らの困りごとを自分で解決したいという意思や、他者に貢献して支える役割を担いたいという意思をもっている。課題や困難を抱える若者と被支援者にするのではなく、彼らが学び、働き、実現する場と支援を提供する。
助成総額
14,500,000円
選定理由
・被支援者を支援者として事業を実践させるという共生社会へのチャレンジである。
・「当事者が活動する場づくり」や「スキルを学ぶ場」の取り組みは重要であると感じるが、具体的な勉強会の内容や交流事業について、柔軟性が高い計画になっている。
事業報告
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