皆さまに今伝えたい、知ってほしい財団からのメッセージ
2025.06.05
何が起きているのか自分たちで考えてみる ~米のこと~

昨夏から1年足らずで、米の価格が2倍以上に跳ね上がる異常事態になっています。
なぜ起こっているのか、どこに問題があるのか。主食であり、また、備蓄しやすさという点から食の安全保障を支える米についてのこと、考えないわけにはいかない社会状況です。
価格変遷を見ると、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出され、大きく需給バランスを崩した頃が、価格急上昇の起点になっています。
巨大地震注意報による、一時的な、しかし大量の買い走りから需給バランスを崩すほど、実は市場の米は足りていなかったのか。
それは2008年からの飼料米への補助金制度により食用米の作付けが減っていたからなのか。
仮にそうであるなら、2022年ウクライナでの戦闘が始まって以来、飼料の輸入量が激減し、畜産農家や酪農家が大いに苦しんだ状況から、こちらも重要な飼料の国産化をどう進めれば良かったのか。
ついに、凶作や不作への備えとされる政府備蓄米まで放出される状況になっているが、そもそも、昨年南海トラフ地震情報が出されたように、地震や火山活動が活発期に入った日本にあって、広範囲に大災害が起きた際の備蓄という視点は必要ないのか。
災害時のための備蓄も視野に入れた食料自給率の上昇、生産力と消費力の両面から考えた農作物の適切な価格の維持、就農者の高齢化等から耕作地を集約した生産が急速に進んでいる農業という産業に関する今後の方向性の提示。
微力であっても、自らできる対策として、個人においては、そのような長期的な農政を考えられる人に投票し、当財団においては、様々な地域の現場で各課題に向かう団体への支援を進めます。
(2025年5月20日 事務局)