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皆さまに今伝えたい、知ってほしい財団からのメッセージ
2015.03.25

弱さの強さを感じた日

2011年以来、特別な月になった3月が終わろうとしています。
 
人間は、地球上で一番繁栄し、その隅々で生存できるようになった生物ですが、
意思をはっきりと他者に伝えることができるようになるまでに2年もかかる、
ある意味、未熟な生物です。
その弱い生物が、他の生物よりも繁栄したのは、
適者生存という視点で身体的に強い生物だったからでしょうか?
あらゆる環境に適応出来る賢い生物だったからでしょうか?私は、どちらも違うと思っています。
 
4年前の3月11日、東日本大震災後に見たのは、みんなが成すすべも無くオロオロする姿でした。
そして、自らが弱いと感じたからこそ、つながり寄り添い合い、困難に立ち向かっていく姿でした。
人は、一人では弱いけれど、つながりあって「人々」になり、
困難に立ち向かうことで繁栄してきたのだと思います。
 
「弱いからこそ、つながって強くなる」
性悪説でもなく性善説でもなく、
性弱説をとりたいと思います。
 
強くないと影響力を示すことが出来ない。
影響力が示せなければ認めてもらえない。
認めてもらえれば裕福になる。
裕福になれば幸せになる。
だから強くないと幸せになれない。
そんな価値観が長く続いてきたように思います。
 
この3月にも被災地に行きました。
改めて、それぞれが気づかれた自身の弱さが絆になり、人々が強くなられたことを感じました。
強さを追い求めてきたこれまでの社会で、弱さを隠し強さを強調し、
そして人々が孤独にバラバラになってきたことを感じました。
 
これからも「弱さの強さを知ることになった3月11日」を常に意識していきたいと思います。
 
 
信頼資本財団 理事長 熊野英介