スタッフブログ

【メンバーブログ23:評議員 岡田純(2)】

財団メンバーによるブログ二巡目、お題は「問題の本質」です。

今回は、評議員を務める岡田純氏に語っていただきました。

岡田純(信頼資本財団評議員)

 

評議員の岡田 純です。

 

今回いただいた作文のお題は「問題の本質」です。

 

うーむどういうことでしょうか。

 

抽象的なテーマでなにを書いてよいのか分からず悩みましたが、わたしとしましては「問題の本質に迫るための方法」について考えたいと思います。

 

わたしは大学は経済学部で生業は税理士(東京で開業しています)なので、いわゆる理系の

分野とは縁遠いところで生きてきました。

 

読む本も社会科学系、といっても要は「新書」で世の中分かった気になっているのですが、最近「物理」読み物に関心を寄せています。

 

最近読んだという物理学者が著した「物理学者はマルがお好き」という本にこう書いてあります。

 

「まずはじめに、関係のないことは全部切り捨てろ!」これが物理学者の日々の研究に欠かせない重要な考え方だ、と。

 

これは言うは易しですがなかなか難しい。

 

結果的には不要な情報であったとしても結果が出るまではその情報が必要なのか不要なのかわかりません。

 

なにが関係があってなにか無関係なのか最初は見当はつかないものです。

 

そこで、ということでクラウス先生がおっしゃるには、重要になってくるのは「切り捨てる」というキーワードです。

 

枝葉の部分、細かい部分を切り捨てるということは日常われわれもおこなっています。

 

たとえば会社の業績をみるとき前期の年商が6億9718万3931円、今期が5億8408万5072円、だったら前の年度は大体7億円の売り上げだったけど今期は6億切っちゃったね、と端数を切り捨て大づかみに理解するというのは無意識に誰でもおこなっていると思います。

 

ただ、もっと重要な「切り捨て」とは問題への取り組み方を決めるときの判断であろう、とクラウス先生はおっしゃいます。

 

 

近代科学の礎を築いた一人であるガリレオ。

 

彼が研究する上で肝に銘じたのは、「”なぜ”とは問わない」ということだったそうです。

 

Tito_Lessi_-_Galileo_and_Vivianiどういうことか。

 

ガリレオといえば物体の落下運動などの研究をしたひとですが、彼は物体が「なぜ」運動するのかは考えないと言い切っているそうです。

 

「なぜ」という問いは無視。封じる。

 

その代わりガリレオは物体が「どのように」運動するのかだけに的を絞ることにしたのです。

 

なるほどたしかに中学や高校の物理の教科書を見てもどのように物体が運動するかは

説明があってもどうしてそうなるのか理由は書かれてありません。

 

「なぜ」物体が落下するかは問わず、物理現象のルールを観察から導き出す。

これに専念したというのです。

 

将棋で言えば「なぜ9*9の盤なのか」とか「なぜ取った敵の駒をその後味方の駒として

使えるのか」ということは考えない。

 

ひたすら駒の配置を調べて、その後のそれぞれの駒の動きを注意深く記述するようなものである。ということだそうです。

 

ところがそうすることで力学の基礎を構築することができ、ニュートンがさらに発展させた。

このような科学の歴史があったということです。

 

非常に大胆なというのか禁欲的というのか。ガリレオの学者としての流儀を知ってとても面白いと思いました。

 

とりあえず以上なのですが、蛇足ながらわたしがなぜ物理に興味を持ったか、それについて述べます。

 

もともと3.11の震災時、福島の原発事故をめぐる世間の右往左往を見て、かといって国会周辺でデモする気にもなれず、放射能困ったね、東電ひどいねと思いつつ過ごしていたわけです。

 

なにしろ3月15日は確定申告の締切日。2011年3月11日は忘れもしない金曜の午後。

 

申告期限まで残り(土)、(日)、(月)、(火)の4日間。

 

普通の人には関係ないのですがあの時は税理士として焦った、焦った。

 

14日(月)から東京は大規模停電が起こるというしパソコンが動かなければ仕事にならないので徹夜でなんとか13日まで確定申告をやりきったのです。思い出すなあ。

 

まあそれはともかく、メルトダウン3連発に向き合うにあたって、そういえば原子力というのは素粒子物理学から始まっているんだよなとふと思い、そこから物理に興味をもったという次第です。

 

なんだかとりとめのない終わり方で恐縮ですがこれで筆を置きたいと思います。

(終わり)

 

 

 

*岡田純評議員の紹介ページはこちら →http://shinrai.or.jp/about/about-staff/

ページトップに戻る