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【メンバー自己紹介2:アドバイザリーボード熊倉聖子】

財団メンバーによるブログ一巡目は自己紹介。
事務局からはひとつのお題を出しました。
どんな子どもだと言われていましたか?
このお題を絡めたメンバーの自己紹介をお楽しみに!

熊倉聖子(信頼資本財団アドバイザリーボードメンバー)

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小学生の頃「クール宅急便」と呼ばれていたことがありました。しつけに厳しかった親や、馴染めなかった学校の先生への反動もあってか、自分の感情を思うように出せず、いつもナナメ45度の視線で、大人を、学校を、社会を冷ややかに?見上げていたら、いつしか近所のおばちゃんにそう呼ばれていました。そんなクールな私に大転機が訪れたのは小学6年生、冬の札幌。母にはじめて連れて行ってもらった劇場でのことでした。そこでは、クロネコだけでなく、色とりどりのネコたちが、のびやかに歌って踊って飛び跳ねていたのです。最後に一人寂しい娼婦の猫が「お願い私に触って、私を抱いて、光とともに」と生の記憶を歌いあげるシーンがあり、「これは私のことだ」と胸につかえていたものが一気に溢れでました。雪の帰り道、心はポカポカと暖かく、いろんなことに立ち向かっていく勇気が湧いてきたことを覚えています。

それ以来、胸の奥にしまっていた思いや感情を表現すること、伝えること、共感し合えること、創造する力、生きる力を見出すことができる場としての「劇場」に強く惹かれていきました。

小学生で湾岸戦争、中学生でバブル崩壊、高校生で阪神大震災とオウム事件、大学で9.11という大きな戦争や社会的事件も起こったいわゆるロストジェネレーション世代。社会の奥に潜む闇のような課題を、演劇やアートの力で解決できないものか、という志を持ちアートNPOでの仕事につきました。

出産を機に、アートの現場からはずいぶんと遠ざかってしまいましたが、今また、その距離が縮まってきた=生きていく上で必要なものだと感じるようになってきました。

小さかった私が心の内に抱えていた寂しさ、くやしさ、憤りは、隣のあの子にも、遠くのあの子の中にもあったかもしれない。10代、20代、そして今、母となって抱えている不安や焦りは、隣の家にも、遠くのママやパパの胸の中にも溜まっているのかもしれない。国境や領域を軽々と越えることができるアーティストたちが、そのモヤモヤとした心と心を、生き生きと表現し結びつける手助けをしてくれるのではないかと。

また、その手助けをしてくれるのは、アーティストや劇場だけでもないと思います。社会課題を解決するために用意された様々なワークショプや講座、場づくりを専門とするファシリテーターの存在、話に耳を傾けてくれる友、仲間、夫、家族、これまでいろんな方々が、私の中のモヤモヤを「!」というヒラメキに変えてきてくれました。

演劇やアートを通して感じてきたこと、母として悩んできたこと、社会で活動するたくさんの方々から学んできたこと、今の自分にできることを精一杯やりながら、これからの子どもたちが、戦争や社会不安のない安心安全な環境の中で、自分の胸の内を自由に表現できて、共感できて、勇気を持ってのびのびと未来を創造していけるような、にぎやかでたのしい日々を紡いでいければと思っています。

 

*熊倉アドバイザリーボードメンバーの紹介ページはこちら
→http://shinrai.or.jp/about/about-staff/

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